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会社員や公務員で厚生年金に加入している方なら、社会保険料の一部として天引きされますので、年金が未納になることは基本的にはありません。

しかし、自営業者やフリーターの方などは「国民年金を払わない」という選択が可能なので、ついつい滞納し、その分を生活費に回してしまうケースもあります。

国民年金の加入、保険料の納付は国民の「義務」ですが、未納者が実際に困ること、ペナルティのようなものはあるのでしょうか?

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年金を未納するとどうなる?

年金を未納するとどうなるか?以下のテーマについて詳しく説明していきます。

① 年金を滞納し続けると怖い取り立てが来る?
② 年金未納で何か罰則はある?
③ 滞納し続けた後からでも年金を払える?
④ 年金の支払いに時効はある?
⑤ 年金を払わずに老後に生活できる?
⑥ マイナンバーは年金の納付に影響する?

①滞納し続けると怖い取り立てが来る?

年金保険料を期日までに支払わないと、郵送や電話での催促に加え、訪問での催促をすることもあります。

訪問で催促をしに来るのは、日本年金機構が委託した民間業者で、言い換えれば催促専門に雇われた会社の人になります。

しかし、テレビや映画の借金の取り立てのような荒っぽいことはしません。

委託業者が実際にその場で金銭を受け取ることができるのは加入者が年金保険料の「納付書」を持っている場合に限ります。

「納付書」が手元に無ければ、単に説明で終わるのです。

所得400万円以上なら「差し押さえ」も

年金未納が社会問題になっている今、厚生労働省も年金の徴収に力を入れ始めました。

特に、所得400万円以上で未納が13ヶ月以上の方を対象に年金保険料の催促を強化しており、差し押さえも行うとしてます。

差し押さえになれば、まず現在勤務している仕事の給与や銀行口座が押さえられますので、自宅に来ること無く強制的に徴収されてしまうのです。

しかし、差し押さえも突然何の前触れもなく行われるのではなく、

催告状→特別催告状→最終催告状→督促状→差し押さえ予告通知→差し押さえ実施

といった段階を踏んでの実施になります。

②未納で何か罰則はある?

結論から言うと、国民年金保険料が未納の場合の罰則は、最悪で「差し押さえ」、3年以上遅延しているものに関しては「遅延金」が発生するだけです。

国民年金の保険料の納付は国民年金法で定める20歳から60歳までの義務です。

年金を納めないのは国民年金法を違反することになりますが、未納や滞納でも警察に逮捕されるといったことはありません。

ただし、世帯主や配偶者にも連帯責任があり、差し押さえが実施されるのは自分だけではないことは覚えておいたほうが良いでしょう。

信用情報機関でブラックの記録が残る?

例えば、クレジットカードやカードローンの返済を長期的に延滞すれば、個人信用情報機関でブラックの記録が残ります。

そうなると、新規でローンの利用ができないといったことになります。

「国民年金も未納すると信用情報機関に記録が残る?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、そういったことはありません。

日本年金機構は信用情報機関に加入していないので、何十年滞納しようが、ブラックなどの記録として残ることはありません。

(参照:ブラックって何?意外な理由にも要注意

パスポートや運転免許証の取得ができなくなる?

ネット上で「年金を滞納するとパスポートや免許証の取得や更新ができなくなる!」といった話もたまに見かけますが、そういったことはありません

以前、とある政治家が年金未納問題に関して、そういった措置も検討すべきという意見はありましたが、平成28年現在そういった罰則は実施されていません。

③滞納し続けた後からでも年金を払える?

特に若い世代であれば、老後の生活についてそれほどシビアに考えていない方も多いでしょう。

今まで年金保険料を滞納していても、年齢を重ねるごとに「やっぱり年金は納めたほうがいい」と考え方が変わるかもしれません。

滞納し続けた後でも納付することは可能なのでしょうか?

「後納制度」で5年前の分まで納付が可能

国民年金の保険料の納付書は、たとえ納付期限が切れていても2年以内であれば、それをそのままコンビニなどに持っていけば納付できます。

2年以上前の分を納付したい場合は、近くの年金事務所に行って「後納制度」を申請すれば5年前までの分も支払うことができます。

ただしこの後納制度は平成30年9月までの制度なので、それ以降は2年前が限度になる可能性もあります。

後納制度の詳しい条件は以下になります。

・20歳以上60歳未満の方で、5年以内に納め忘れの期間(納付・免除以外)や未加入期間がある方
・60歳以上65歳未満の方で、上記1.の期間のほか任意加入中に納め忘れの期間がある方
・65歳以上の方で、老齢年金の受給資格がなく任意加入中の方など
※ 60歳以上で老齢基礎年金を受け取っている方は申し込みできません。
※ 特定期間となっている期間は特例追納をご利用ください。

(参照:日本年金機構

滞納していた分は分割払いできる?

滞納して2年以内のものであれば期限切れの納付書がそのまま利用できるので、支払い可能な分だけ現在の納付と合わせて納付すればOKです。

2年~5年前の分は「後納制度」を利用することになりますが、一括払いだけではなく分割払いも可能です。

申請の際に窓口に相談すれば詳しい金額を教えてくれます。

「免除」または「猶予」にしていれば10年前の分まで納付できる

国民年金の保険料は所得に応じて、保険料を下げたり、一時的に納付をストップさせることができる「免除」や「猶予」の制度があります。

「免除」または「猶予」の状態の時の分であれば、過去10年以内の保険料を後から支払う「追納」ができます。

そういった意味でも、「所得が少なく年金保険料を払えない」という方は、放置するより年金事務所に相談し、免除や猶予といった処置をしたほうがいいのです。

④年金の支払いに時効はある?

年金の時効は原則的に2年間です。

しかし、特例として「後納」や「追納」といった制度を利用することで5年または10年前まで遡って支払いができます。

差し押さえられる年金の期間は?

上記は「後から支払いたい方目線の時効」の話ですが、支払いたくない方にとっては時効は短いほど良いはずです。

年金の時効は2年間ですが、督促状が届くと、そのタイミングで時効が中断されます。

つまり、時効成立直前のタイミングごとに督促状を送られたら、永久に時効が成立しないことになります。

督促状を無視して滞納を続けると差し押さえの流れになるケースが多いので、実際に差し押さえられる金額が2年分以上になる可能性はありえます。

しかし、厚生労働省としては「所得400万円以上、滞納13ヶ月以上」で差し押さえを強化するとしているので、時効を無駄に延ばすよりも早期に徴収する意向と考えられます。

⑤年金を払わずに老後に生活できる?

年金の本来の目的である「老後に年金の受給ができなくなる」、または「受給額が減る」というのが年金保険料の未納や滞納のもっとも大きなデメリットでしょう。

国民年金は加入期間にもよりますが、平成28年度現在で月平均約5万円が支給されています。

厚生労働省の調べでは、60歳単身無職の平均支出が約15万円なので、国民年金を受給していたとしても約10万円の赤字です。

そもそも国民年金だけの方は厚生年金に加入している方より受給額が低いです。

たっぷり貯金がある方はさておき、国民年金を納めないと、老後にお金に困る可能性が他の人よりも高いのです。

(参照:老後資金はいくら必要?【国民年金だけでは足りない!】

⑥マイナンバーは年金の納付に影響する?

マイナンバーは国民の個人情報と各行政機関などの情報を紐付けることによって事務処理をスムーズにする目的で、2016年より本格導入されました。

現在年金を滞納している方にとってマイナンバーの導入を不安に思う方も多いかもしれません。

マイナンバーは年金の納付に影響するのでしょうか?

マイナンバーと国民年金の紐付けは延期になった

実は2017年よりマイナンバーと国民年金は紐付けられる予定でしたが、国民年金機構の個人情報流出問題があり、見送られることになりました。

現時点ではマイナンバーは国民年金に影響しませんが、いずれは両者紐付けられることになるでしょう。

個人の所得を把握しやすくなる

将来的にマイナンバーと年金が紐付けられれば、国民年金機構側で個人の所得の確認がより正確に、そしてより容易になるでしょう。

上記で説明しましたが、現時点では「所得400万円以上、滞納13ヶ月以上」の方が差し押さえの強化対象になっています。

マイナンバーによって所得の確認方法などが変われば、差し押さえられる方が増えたり、強化対象となる所得基準がより厳しいものに変化する可能性はあるかもしれません。

厚生年金の未納が無くなる可能性

次の章で詳しく説明しますが、勤務している会社から天引きされている社会保険から厚生年金が支払われていないケースがあります。

マイナンバーが国民年金と紐付けられれば、国民年金機構と国税庁といった別の機関同士が情報を共有できるので、そういった不正を防止することが可能になってきます。

このケースは企業がごまかしが利かなくなるのであって、厚生年金加入者である個人にとってはメリットです。

厚生年金で年金の滞納ってありえる?

一般的に年金の未納問題となっているのは「国民年金第1号被保険者」のケースです。

自営業者やアルバイト、学生など、社会保険に加入していない方が国民年金第1号被保険者です。

しかし、まれに正社員や公務員の方で社会保険に加入していて厚生年金を払っている(給与から天引きされている)方でも年金を滞納してしまうケースはあります。

会社が厚生年金を滞納していた?!

会社の経営が困難になり、社員から控除している厚生年金を運転資金として利用し、結果的に社員の厚生年金が滞納してしまうという事例があります。

社員本人からすれば、毎月給与から引かれているので「しっかり納めているつもり」のはずで、会社が倒産して初めて気がつくといったケースもあります。

会社の滞納分を自分で支払う必要ある?

上記のようなケースで気になるのは、滞納した分はどうなるのか?一度給与から引かれていたにもかかわらず、再度自分で支払うのか?といった問題です。

社員から天引きしていたにもかかわらず、会社が年金の納付を滞納した場合、社員がその責任を負うことはありません。

未納分を催促されるにしても事業主や役員であり、結果的に事業主が納付しなかった場合でも国が保険料を負担してくれます。

これは平成19年度より施行された厚生年金特例法に基いています。

年金の納付状況は「ねんきんネット」で確認できる!

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(参照:日本年金機構

日本年金機構の「ねんきんネット」を利用することで、国民年金、厚生年金の納付状況、将来の年金見込額などがチェックできます。

会社がきちんと厚生年金を納付しているか不安であれば、利用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

国民年金の納付は「義務」とは言いながら、差し押さえにさえならなければ、特に困ることは無いのが実情です。

実際、厚生年金ではない国民年金だけの加入者の約半数は滞納や免除という状況です。

しかし将来、年金の受給無しで生活するのは厳しいかもしれません。

年金保険料の納付は「義務」ではありますが、自分への「投資」という考え方もできるのではないでしょうか。

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