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カードローンの返済が延滞すると、最初はカードローン会社から電話やはがきで催促が来ますが、それでも返済をしないと、裁判所から「支払督促申立書」が家に届くこともあります。

支払督促申立書とは

支払督促申立書とは、直接催促しても返済しない滞納者に対して裁判所経由で催促するというものです。

民事訴訟法382条に基づいた制度です。

カードローン会社→債務者の管轄の簡易裁判所→債務者という流れで届きます。

ちなみに、支払督促申立書は原則的に自宅に届きます。勤務先にそういった通知が届くことはありません。

書類の内容としては「一括で返済をしなさい」というものです。いままで分割でも返済ができなかった状況なら、かなり厳しい内容といえるでしょう。

支払督促申立書が届いたらどうする?

支払督促申立書が届いたら、

①一括返済する
②無視する
③異議申し立てをする

の3択になるでしょう。

どの方法がベストなのでしょうか。

①一括返済する

一括返済すれば問題ありません。しかし、通常の返済よりもむしろキツイ状態です。

一括請求されてすぐに返済できるなら、そもそも延滞していないでしょう。現実的には、②か③になるのではないでしょうか。

②無視する

今までなら催促されても、無視していれば単に返済しなくて済んでいたかもしれません。

しかし、今回は裁判所からの書類です。「無視して大丈夫か?」、「無視したらその後どうなるのか」という部分が不安でしょう。

支払督促申立書を無視しても差し押さえなどの強制力がないので、この時点では大丈夫といえば大丈夫です。

しかし、無視をして2週間以上経過すると、「仮執行宣言付き支払督促申立書」という書類が送られてくることになります。あとで説明しますが、この書類が届いたら無視できない状況になります。

③異議申し立てをする

支払督促申立書には基本的に「異議申立書」というものが同封されています。異議申立書に必要事項を記入し、2週間以内に裁判所に提出(郵送も可)することで、督促状の請求を無効にできます。

異議申立書には氏名や住所などの基本的な個人情報を記入し、分割払いの話し合いを希望するかどうかといった内容です。異議申立書の提出自体は難しいものではありません。

異議申立書の提出後は、通常の訴訟になります。

訴訟をすれば、話し合い→和解→分割払いで済ませられる可能性があります。

仮執行宣言付き支払督促申立書とは

支払督促申立書が届いて、無視した場合には仮執行宣言付き支払督促申立書というものが届きます。

最初に届いた支払督促申立書に「仮執行宣言付き」という言葉が加わったものです。

仮執行宣言付き支払督促申立書が届いたらどうなる?

この書類が来てから2週間以内に異議を申し立てないと、強制執行されることになります。

異議を申し立てれば、通常の訴訟→和解という流れが可能です。

強制執行って何?

仮執行宣言付き支払督促申立書が来て、異議申し立てもせずに無視していれば、強制執行になります。

強制執行になると、給料と預貯金が差し押さえられます。

差し押さえられる給料は所得税や保険料などを差し引いた額の4分の1(月給が44万円以上の場合は33万円を差し引いた金額)になります。

例えば、給料が20万円だとすれば5万円、給料が50万円だとすれば、17万円が差押えられるということです。

これは、借り入れ先が複数の会社の場合でも同じです。

例えば、2社から借りていて、給料が20万円だとすれば、それぞれの会社に2万5千円ずつ(合計5万円)が差し押さえられるということです。

20万円から5万円引かれれば15万円残ります。つまり、ある程度の給与は確保できるということです。

「思ったよりダメージが少ない」と思われるかもしれませんが、給料を差し押さえられるということは、必然的に勤務先にバレてしまうことになります。

(参照:家族に内緒でカードローンは利用できる?

差押命令

給料の差し押さえは、一旦自分に給料が支給されてから支払うというものではありません。

強制執行になれば、裁判所から勤務先に「差押命令」が行きます。

勤務先側は、「差押命令」に同封された「陳述書」を提出する義務があり、債権者側とどうやって今後支払いをするかなどを協議しなくてはなりません。

その後、勤務先から直接債権者側に差し押さえのお金が渡るような流れになります。

給料差し押さえになればクビに?

法的に差し押さえが理由で解雇というのはできません。借金の問題はあくまでもプライベートの範疇で、会社に実害を与えたわけではないからです。

しかし、プライベートなことはといえ「お金の管理ができない」という評価になるかもしれませんし、多少は人間関係などにも影響する可能性は考えられます。

差し押さえられる金額以外のデメリットもあるということです。

給料差し押さえられるなら転職しちゃえ?

「勤め先にも、借金の問題がバレた」、「給料は4分の3しか手元に残らない」という状況なら、誰でも「会社を辞めて別のところで働こうか」という考えが頭をよぎるのではないでしょうか。

しかし、勤務先を変えても同じです。カードローン側はあらためて裁判所に差し押さえの申し立てをする必要がありますが、勤務先が変わっても給料を差し押さえることができるのです。

まずは異議申し立てをして和解に持ち込む

支払督促申立書が届いたら、まず異議申し立てをするというのが基本と考えていいでしょう。

この書類が届いた場合の結果は基本的に2通りです。

①無視→強制執行
②異議申し立て→和解

「和解はプロが相手だから、難しいかも」と思う方も多いかもしれません。

しかし、強制執行も融資した側からすれば、給与を100%差し押さえられるわけでもなく、たったの4分の1です。

強制執行した挙句に会社バレが理由で仕事を辞めてしまい、自己破産でもされれば、全く回収できないことになります。

強制執行自体がカードローン側にメリットが小さいので、和解できる可能性は十分あるのです。

和解とは

債権者(カードローン側)と和解に持ち込むには話し合いが必要になります。

和解は裁判所で司法委員という第三者が間に入って進めてくれます。

「月々いくら返済できるのか」、「元金は全額返済できるのか引き下げるのか」といったことを相談します。

和解する場合に押さえておきたいポイントは、実際に返済可能な和解案にするということです。

一度和解で決めた約束を破ると、「一括返済」などのペナルティーが課せられるので、和解したいがために返済が厳しそうなプランを提示するのは自分自身の首を締める結果になります。

和解が成立しなければ強制執行で差し押さえになります。差し押さえの金額を把握していれば、相手がどれだけ譲歩してくれるかというのも、だいたい見えてくるでしょう。

返せる金額はいくらかというのを自分で把握し、まずはそれを提示してみることです。

(参照:知らないとヤバイ!返済を延滞した場合のペナルティー

直接交渉で収まるケース

最初に支払督促申立書が届いたタイミングで、カードローン側から連絡が来て、相談を持ち掛けてくる場合もあります。

延滞している金額が少額だった場合など、訴訟や強制執行に持ち込むには費用や時間が割に合わないので、直接交渉しようということです。

利用者側としても異議申し立てをして裁判所に行って和解などは面倒です。電話で済むならそのほうが楽です。

しかし、カードローン側が提案する譲歩の内容に納得がいくならそれでも良いですが、裁判所で和解をした方が返済の負担が軽くなる可能性もあります。

カードローン側との直接交渉の場合、相手のペースになりがちです。そういった電話での交渉に慣れているからです。すぐに判断せずに、一旦よく考えてから判断したほうがよいでしょう。

まとめ

支払督促申立書について説明をしてきましたが、これは同時に「借金の返済を放置し続けたらどうなるか」という内容でもあります。

結果的には法的に対処をされるので、返済を無視し続けるということは困難なのです。

借金に困ったら債務整理などそれなりの対処方法はあります。返済の期間だけを伸ばしてもメリットはないので、早期に対処することが最善です。

(参照:長期滞納するとどうなるの?消費者金融に時効ってある?
(参照:債務整理とは

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