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ローンなどをする際には毎月の返済額はいくらか、利息はいくらかなどあらかじめ把握し、テレビのコマーシャルではないですが「ご利用は計画的に」ということが必要になります。自分が借り入れる際には収入に見合った額を上限に利用すればいいので、計画はできます。しかし、他人のローンを突然背負うようなことになれば計画も何もありません。

日本弁護士連合会の「2014年破産事件及び個人再生事件記録調査」によると、自己破産した人の理由として「保証債務・第三者の債務の肩代わり」が約27%にも及びます。4人に1人以上が自分以外の借金で破産しているということです。

自己破産をすれば持ち家などの財産があれば没収されますし、クレジットカードなども利用できない状態になります。他人の借金のせいで人生が大幅に狂ってしまうのが連帯保証人という制度なのです。

例えば、マイホームを購入したてで、住宅ローンがまだまだ残っていて小さなお子さんがいるようなサラリーマンがいきなり他人の借金を背負えばどういうことになるか想像に難しくありません。

連帯保証人の制度はそういったことで以前から問題視されており、2015年の民法改正案のひとつとして連帯保証人制度の廃止がありましたが、結局廃止にはならずに存続が決定しました。

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保証人と連帯保証人の3つの違い

「連帯」という文字が付くか付かないかで保証人の権利はかなり異なります。

①催告の抗弁の有無

「催告の抗弁」とは、債権者が保証人に対して請求をしてきた場合に「まずは債務者に請求をしてくれ」と拒否できる権利のことです。連帯保証人にはこの権利がないので、請求されたら支払わなくてはなりません。

催告の抗弁の権利は債務者が自己破産した場合や行方不明で催促自体ができない場合などは無効になりますので、その場合は保証人でも支払わなくてはなりません。

②検索の抗弁権の有無

「検索の抗弁権」とは、債権者が保証人に対して請求をしてきた場合に「債務者にはまだ財産があるから返済できる」と主張して請求を拒否できる権利のことです。この財産というのは債務の全額をカバーできる金額である必要はありません。

連帯保証人にはこの権利がないので、請求されたら支払わなくてはなりません。

③分別の利益の有無

「分別の利益」とは、保証人が複数いた場合に、負担を人数分で分けることができる権利です。

例えば保証人Aと保証人Bがいたとして、債権者が保証人Aに100万円を請求します。その場合、保証人Aは「保証人Bと50万円ずつの支払で」と主張できます。

しかし、連帯保証人の場合はこの権利がありません。連帯保証人が2人いたとしても、自分だけに対し100万円を請求されれば支払わなければなりません。

保証人=債務者と考えるべき

上記説明は専門用語も混じっていたので、わかりづらい部分もあったかもしれませんが、結局のところ、連帯保証人は請求されれば支払わなければならないので、ほとんど債務者(お金を借りている状態)と同じということです。

貸す側からすれば、「返済に責任を持ってくれる人が2人いるから貸す」という状況なのだということを理解しなければなりません。連帯保証人に損失があるかどうかは債務者しだいで、それ以外に法的に守ってくれる権利などはないということです。

また、通常の保証人なら安全という認識も誤りです。債務者が自己破産などで返済できない状態なら、責任は保証人が持たなければなりません。

「迷惑はかけないから保証人になってくれ」と言われ、断れば信頼関係に悪影響を及ぼすかもしれません。しかし、保証人や連帯保証人になって、借金を肩代わりするようなことになれば、信頼関係などという生やさしいことは言ってられなくなるでしょう。

ここでは保証人と連帯保証人について説明をいたしました。判子を押す前には知っておかなければならない内容ですが、「保証人になったらどうなるか」を考える前に、「保証人を頼まれた場合にどうやって断るか」を考えておいた方がいいかもしれません。

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