0015
医療費というのは自分の意思に関係なく突然必要になるものですし、家計のプランに組み込みにくいものなので、できる限り費用を抑えたいというのは多くの人が思うことではないでしょうか。

「医療費の制度」というと、なんとなく堅苦しく、手続きなども面倒なイメージがあるかもしれませんが、健康保険は3割自己負担というもの以外にも、年齢や状況にあわせたいろいろな制度があります。しかし、その存在を知らずにスルーしてしまい、請求された金額を普通に支払うという、もったいない事をしているという方も多いのです。概要だけでも理解しておけば、いざというときに活用できるでしょう。

今回は比較的多くの人が利用できそうな健康保険の医療費などに関する制度をピックアップしてみました。

乳児や子供がいる人が活用できる制度

出産育児一時金

妊婦が出産をするときの医療費というのは保険対象外となりますが、入院などで費用は40万円前後はかかりますので、非常に大きな負担といえます。医療費として保険対象外になる代わりに、健康保険や国民健康保険加入者に対して「出産育児一時金」ということで42万円(産科医療補償制度に未加入の医療施設は40.4万円)が支給されます。概ね出産にかかる費用をこれでカバーできてしまうというものなので、非常に利用価値があります。

基本的な条件としては妊娠12週(85日)以降の出産が対象になり、死産・流産も支給対象となります。申請の窓口は各保険窓口、国民保険なら市区町村になります。

支給方法は、手続き自体を医療施設が行う「直接支払制度」、妊婦が申請手続きを行う「受取代理制度」と種類がありますが、いずれも医療機関に支払いがされます。42万円以下で済んだ場合は、差額を後日に健康保険に請求することができます。

子ども医療費助成制度

地方自治体が行っている子供向けの医療費補助制度ですが、「乳幼児医療費助成制度」とよばれる場合もあります。補助内容、条件などは各市区町村で違います。対象年齢が、小学校卒業や中学卒業までだったり、通院と入院で対象年齢を分けたり、世帯収入の制限があって利用できる場合とそうでない場合などもありますが、料金は概ね上限額が一回の診療で数百円程度とかなり安価に抑えることができます。

基本的な利用方法は、まず児童の健康保険や国民健康保険を持ってお住まいの市役所などで申請し、市役所で発行された証明書を持って病院に行けば、制度が適用された料金で治療を受けることが可能になるといった流れです。細かい部分は各自治体で違いがありますので市役所などのホームページで確認をしてください。

一度申請してしまえばその後ある程度の年齢に達するまでの医療費が安くなるので、トータルで考えれば大きな金額の差になる可能性も高いです。お子さんがいる方にはぜひ知っておいて頂きたい制度です。

ひとり親家庭等医療費助成制度

子ども医療費助成制度と同様に地方自治体が窓口となっている医療費補助制度です。各自治体によって詳細が異なる場合もありますが、基本的には対象となっているのが、シングルマザーやシングルファザー自身とその子供(18歳まで)です。健康保険の対象の医療内容であれば、その自己負担金額が無料または一部負担で済むという制度です。

扶養親族の数とそれに応じた所得制限や生活保護などとの併用ができない、お住まいの地域以外での診療は対象にならないなどの条件がありますので、市役所のホームページなどで詳細は確認をしてください。

利用方法は、健康保険証とひとり親であることを証明できる書類などを持参の上、市役所などで申し込みをします。その後、発行された医療証をもって医療施設に行けば医療費が免除、減免されます。

病気や怪我で仕事ができなくなった場合の制度

傷病手当金制度

病気や怪我で仕事ができなくなったときに、その賃金を健康保険が補てんしてくれるというものです。国民健康保険ではこの制度の利用はできません。概ね仕事をしていたときの賃金の3分の2を健康保険から受給することができます。仕事を4日以上休むという場合から補助金が支給され、1つの症状で最大1年6ヶ月まで受給することができます。受給期間中に退職をしても1年以上の保険加入期間があればそのまま受給を継続することも可能です。

窓口は各健康保険になります。長期的に仕事ができそうにないという状況になったら相談してみてはいかがでしょうか。

医療費が高額になってしまった場合

高額療養費制度

風邪やちょっとした怪我くらいであれば、健康保険があれば医療費も3割負担なので、それほど大きな負担にはならないかもしれません。しかし、症状によっては生活に困るほどの医療費を請求されることもあります。

「高額療養費制度」は国民健康保険やその他ほとんどの健康保険で同様の条件で利用できるものです。収入別に医療費の自己負担額の上限を設定しており、その上限を超えた額を健康保険が負担してくれるというものです。対象となる医療は健康保険が適用されるものに限られますが、過去2年にさかのぼっても申請できるので、以前高額な治療費を払ったことがあるということでしたら申請すればお金が戻ってくる可能性があります。個人、または世帯ごとでの上限という扱いにもできるので、場合によっては非常に大きな金額を軽減することができます。別の章で詳しく説明しているので参考にしてください。

以上のように、健康保険はそれぞれの方の状況に合わせていろいろな種類の制度があります。自分や家族が突然病気や怪我になったら、あわただしくなり、治療費のことまで考えが及ばない場合もあります。あらかじめある程度の知識を蓄えておき、いざという時にお得に制度を活用できれば、より安心して治療に専念できる状況になるかもしれません。

スポンサーリンク