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高齢化社会ということ自体もひとつの社会的問題ですが、高齢者の生活保護というのもまた考えなければならないひとつのテーマといえるかもしれません。

生活保護受給者のおよそ50%が60歳以上の受給者です。「高齢者なら年金を受給すべきだろう」と思うかもしれません。

しかし、実際にこれだけ高齢者が生活保護を利用している背景には、多くの場合で年金よりも生活保護の受給額が多いということが言えますし、それだけ年金というものが健康で文化的な最低限度の生活をする上で十分とは言えないのかもしれません。

もちろん、持ち家があって、長年勤めた仕事の退職金があれば年金だけで十分生活していけるかもしれませんが、すべての高齢者がそういった恵まれた状況にいるわけではありません。

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年金と生活保護

この2つの制度を併用することは可能なのです。年金が収入とみなされ、その分を生活保護から引いた上で支給されるということです。

つまり、年金が生活保護受給額を上回るようなら生活保護は受給できません。

実際に高齢者はいくら生活保護として受給できるのか

■たとえば東京23区で41歳から59歳までの単身者の場合
生活扶助基準額が81,440円
住宅扶助が:53,700円

■同じ東京23区で60歳から69歳までの単身者の場合
生活扶助基準額が80,480円
住宅扶助が:53,700円

■同じ東京23区で70歳以上の単身者の場合
生活扶助基準額が75,750円
住宅扶助が:53,700円

上記のように、年齢が高くなるにつれて支給額が少なくなっていくというのが生活保護のしくみです。

しかし、上記の金額よりも年金の支給額が少ないということは十分にありえるでしょう。また、家賃とは別に7~8万円ほどが生活費ということで、派手な生活はできませんが十分に生活できる額といえるでしょう。

また特に、高齢者にとって大きな課題である医療費や介護利用料も負担してくれるのはかなり大きいでしょう。

高齢者が生活保護を受給するデメリット

最大のデメリットは資産を所有できないということでしょう。たとえば、持ち家の場合、住み慣れた家を売るということが生活保護を受給する条件になります。

また、原則的には自動車も失うことになりますし、保険も解約、貯金もできません。高齢者が必要最低限のお金だけで暮らすというのは不安な部分も多いかもしれません。

国や地方自治体による高齢者向け就職支援制度

上記を踏まえれば、生活保護というのは生活が困窮した高齢者にとってはメリットの方が多いといえるかもしれません。こういったセーフティーネット必要不可欠ですし、受給者が増大するのも理解できます。

しかし、国の財政や景気の影響で制度の内容が今後も変わらないとも限りません。また、現実的に60歳以上の生活保護受給者の中には働きたくても仕事が無いというやむをえない状況の人も多いのではないでしょうか。

高年齢再就職給付金制度

高齢者の就労でもっとも問題になるのは「以前よりも給料が下がる」、「法律上の最低賃金に近い給料しかもらえない」ということではないでしょうか。実際に最低賃金と生活保護を比較すると生活保護受給者のほうが生活レベルが高いという現象も起きています。

そういった問題を改善してくれるのが「高年齢再就職給付金制度」です。これは以前の仕事より給与が75%以下に減ってしまった場合に、国が最大で15%を補助してくれるという制度です。条件としては失業手当が100日分以上残っているという状況で、最大2年、65歳を上限に支給する制度です。

高年齢雇用継続給付制度

60歳の定年後も継続して同じ会社に勤めるということであれば、「高年齢雇用継続給付制度」が利用できます。これも給与が75%以下に減ってしまった場合に、国が最大で15%を補助してくれるという制度です。雇用保険が通算5年以上ということや月給が340,761円以下であることなどが条件になりますが、60歳までの給与に近い給与を65歳まで得ることが可能になるというものです。上記2つの制度はハローワークが窓口になっています。

今後の国内の経済の状況もどうなっていくかというのは誰にも分かりませんが、現在の高齢者が安心した暮らしができる社会であること。そして将来の高齢者である現在の子供たちまでを踏まえた制度というのを、政府はもちろん、さまざまな制度を利用している私たちも含めて考えていかなければならないのかもしれません。

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