0009
受給者数は増加傾向にある生活保護ですが、それはつまり多くの人にとってデメリットよりもメリットの方が多いということでしょうか。しかし、生活保護は「理想のライフスタイルをつかむための一つの選択肢」というものでもなく、やむを得ず利用するということが前提の制度です。

社会的に問題になっている事例も多い制度なので、今後内容が変化していくとこも想定できます。税金が利用されている制度である以上、国民すべてに関係のある制度ともいえるのではないでしょうか。ここで生活保護の特徴を掴むという意味も含めて、生活保護におけるメリットとデメリットを解説します。

スポンサーリンク

生活保護を受けることのメリット

①現金が支給される

生活に必要最低限のお金という前提にはなりますが、衣食住に関して、それがたとえ安価なものだとしても自分の好みのものを購入することができます。融資と違い、返済する必要がないので、受給を止めて仕事に就いたとしても返済の心配をすることなく、生活を立てなおしていくということが可能になります。

②免除されることが多い

生活保護を受給すれば、その手当てだけで生活できるようにということで、本来義務であることも免除されます。

・地方税
・固定資産税
・国民年金、保険料
・上下水道の基本料金
・NHK放送受信料
・し尿くみとり料
・粗大ごみ手数料
・公衆浴場料(風呂なし物件に入居の場合)

上記は生活保護受給者が免除になる事例ですが、地域多少違いがあるので、さらに免除や減免になる可能性もあります。たとえば都営や市営の地下鉄、バスなどの無料パスが世帯に1枚配布される場合などもあり、かなり行動範囲が広くなります。

③扶助の対象が広い

たとえば、子供がいれば義務教育のための費用、突然の葬儀にも対応、医療関連も国民健康保険並みの医療を受けることができるなど、単に「生きるため」の費用以上の事柄に対してもカバーしています。扶養の種類は8種類(生活扶助、医療扶助、住宅扶助、教育扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助、介護扶助)もあるのが特徴です。

生活保護を受けることのデメリット

①車を所有できない

基本的には、車は移動のための道具ではありますが、価値の高い資産という判断になるので所有することができません。売却すれば生活費に充てる事ができるからです。

しかし、東京の中心部などでは鉄道やバスなどでほぼ行きたい場所に行くことができますが、地方によっては食料品を購入するのに車が必要になるというケースも珍しくないので、各地方の判断に委ねられる場合があります。また、そういった地域的なことや家族の通院のためなど、ケースによっては所有を認められることもあります。

しかし、仮に車の所有が認められたとしても、車に関する扶助は無いので、ガソリンや維持費などは自分で支払うことになります。また、いわゆる高級車に関しては認められる可能性も低いでしょう。

②海外旅行ができない

まあ、当然かもしれませんが、海外旅行はできません。しかし、ケースワーカーの判断で国内旅行程度なら行くことができる可能性はあります。ちなみにパスポートは取得することが可能です。特別な理由があれば海外渡航自体はできる可能性もあります。

③貯金やローンができない

生活保護で受給した金銭もある程度の範囲なら銀行の口座に入れることはできますが、一定の額を超えれば、生活に余裕があるとみなされ、支給の打ち切りということになります。

また、ローンに関しては返済途中であれば、生活保護は認可されません。完済するか、自己破産をするかでローンを終了させてから生活保護を申請する流れになります。新規でローンを組むという場合は、金融会社の審査に通らないでしょう。生活保護受給者に融資をする業者は悪質な闇金業者しかいません。

④生命保険に加入できない

生活保護の申請をすると、いままで加入していた生命保険の解約を求められます。具体的には終身保険や個人年金保険などの貯蓄性が高いものになります。解約して、生活費に充てるという前提なのです。

しかし、定期型の保険のように、仮に解約をしても払戻金が少ない場合など、そのまま加入し続けられるケースもあります。

⑤他人に知られる可能性がある

もちろん、生活が困窮しているのであれば、他人の目などを気にしている余裕は無いかもしれませんが、ある程度は人間関係に影響を及ぼすということも認識しておくべきかもしれません。

生活保護は基本的には個人情報保護法で守られているので秘密にされるべきことではあります。しかし、定期的にケースワーカーが訪問したりもするので、近所の人が気がつく可能性はあります。また、小中学生の子供がいるようなら教育扶助の利用で学校側には知らせる必要が生じます。先生が生徒に生活保護をバラしたりすることは考えにくいですが、生徒名簿などに特定のしるしをつけている場合もあるので、管理のいい加減な先生なら他の生徒に気づかれることになりかねません。

⑥親族にはバレる

民法では扶養の義務が三親等以内の親族とされているということもあり、生活保護を支給する前に、ある程度近い親戚は調査対象となります。確かに、おじがお金持ちなのに、生活保護を受けているという状況は不自然とも言えるのかもしれません。この調査というのは扶助の可否を問うものですが、拒否したとしても源泉徴収票の提示を求められる場合もあるので、いずれにしても多少は面倒をかけることになります。

⑦他人の監督下におかれる

上記にいろいろ「できないこと」を説明しましたが、通常、自分で生計を立てている場合、何を買おうが、何を所有しようが、いくら貯金しようが、どこに旅行に行こうが自分の勝手です。

しかし、生活保護を受給していると、ケースワーカー(福祉事務所の職員で、生活保護受給者の調査、相談などを担当している人)による抜き打ち訪問があります。その際に、貯金額や就職活動状況などをチェックされます。不正が無いかの確認も行いますし、生活に余裕があると認められれば扶助を止められます。

他者から見れば、もっとケースワーカーにきちんと働いてもらって、できる限り不正受給者を減らして税金の無駄を減らしてほしいということになるかもしれませんが、本当に必要で受給している人にとってはストレスに感じるかもしれません。仕事をしなくても生活できるというのも「自由」と考えることもできるかもしれませんが、ある程度は管理された生活をすることになるのです。

スポンサーリンク