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「個人再生」は完全に債務がなくなるわけではないので、返済が免責される自己破産よりもデメリットは少ないだろうと思われている方も多いかもしれません。しかし、実際には多くの点で自己破産と共通したデメリットもあります。

個人再生は申し立て者の収入や債務、資産などの状況によっては最善の選択となる場合もありますが、そうでない場合もありえます。

ここでは個人再生におけるメリットとデメリットを挙げてみましたので、少しでも個人再生の理解に役立てばと思います。

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個人再生のメリット

返済が減らせる

返済の金額を減らすというのがこの「個人再生」の最大の目的であるといえるでしょう。5,000万円の債務が上限になり、最小で債務の10%だけを返済すればよいというものです。額が多いほど減額される割合が大きくなるというのも特徴です。

請求や催促を止めることができる

弁護士などと契約をすると、まず、弁護士は債権者に「受任通知」を送ります。債権者がそれを受けとれば、その時点から取り立て、請求行為ができなくなるというものです。

債務者にとっては一息つける瞬間です。他の債務整理にも共通したメリットですが、催促が止まれば、じっくり今後のことを考えることができるようになります。

職業上の資格に影響しない

自己破産との比較になりますが、自己破産の場合、申し立てから免責までの数ヶ月間は、弁護士などの士業、質屋などの古物商、会社の役員などの仕事をすることができなくなりますが、個人再生においてはそういった影響はありません。

マイホームや車などの資産を失わずに済む

自己破産であれば、一つ20万円以上の価値のものは没収されてしまいますが、個人再生では何かが没収されるということは基本的にありません。

しかし、資産価値によっては返済金額に影響があるので要注意です。

どうしても返済できない場合に免責できる可能性もある

重病や大きな怪我などで仕事ができなくなり、収入の道が断たれた場合に、すでに規定の4分の3を返済済みなどさまざまな条件はありますが、「ハードシップ免責」という規定に基づき、残りの返済が免責されるというものです。

最大で4分の1にはなりますが、一般の消費者金融などではありえない処遇といえます。

個人再生のデメリット

無職では個人再生できない

返済額が少なくはなりますが、再生計画案という返済計画を提示しなければ認可されないので、収入が全く無いということであれば個人再生はできません。ただし、消費者金融の審査のように職種が判断基準にされるということもないので、アルバイトなどでも問題はありません。

小額の債務には効力がない

100万円以上の債務が無ければ個人再生ができませんし、100万円に近い金額なら個人再生をする意味があるのか、デメリット以上の価値があるのかというところです。債務の金額が大きいほど個人再生する価値が高いともいえます。

債権者の同意が得られない可能性がある

比較的返済額が小額で済む「小規模個人再生」での個人再生の場合は半数以上の債権者の同意を得る必要があります。一般の消費者金融などでは同意しない場合はあまりないといわれていますが、もし同意が得られなければ別の手段を検討する必要があります。

しばらくは借金やローンができなくなる

個人再生でも自己破産と同様に「ブラック」になります。5年から10年は現金を借り入れることはもちろん、クレジットカードや新たな分割払いの利用もできなくなります。債務整理をする以上避けては通れない道にはなります。

しかし個人再生の場合は、返済額自体大幅に減る可能性もありますし、弁護士と相談しながら再生計画案を作り、収入に対して生活できるだけの返済負担になるように計画されることが前提です。堅実な生活を送れば新たなローンをしなくとも日常生活に支障はないといえます。

資産があれば高額な返済が必要な場合も

住宅や車などを没収されずに債務整理できるというのが個人再生の特徴ですが、「清算価値保証原則」に基づいて、返済額より高額な資産があれば、それと同額の返済をしなければなりません。例えば、1,000万円の高級車を所有しながら個人再生をして100万円だけ返済すれば済むということはありえないのです。左記のケースで個人再生をすれば1,000万円を5年以内に返済するという流れになります。

住宅も同様で、住宅ローンの残額が家を売った場合の価格より上回ってなければ資産価値があるとみなされます。資産価値として認められればその価値相応の金額が返済額として設定されます。返済額次第では個人再生する価値があるか微妙になる場合もあります。

職場にバレる可能性もある

自己破産と同様で共済組合などの職場に関連したところから借り入れている場合に個人再生すれば会社にバレてしまいます。バレるのを避けるのであれば事前に何らかの準備が必要です。

また、退職金の見込額を証明する書類を提出しなければならないのですが、会社から退職金証明を取り寄せる以外の方法をとらなければ会社にバレてしまう可能性があります。

ヤミ金からの勧誘が増える可能性

個人再生をすると「官報」という国が発行する広報誌に自分の情報が記載されます。この点は自己破産と同様です。官報は一般の人が見ることはまず考えられませんが、ヤミ金業者の情報源として機能している側面もあります。ダイレクトメールやFAX、電話などで「ブラックでも融資しますよ」などと甘い言葉を投げかけてきます。個人再生後にお金に余裕が無い状況であれば、そういった言葉に心が揺らいでしまう場合もあるので注意が必要です。また、ヤミ金を利用するしない以前にそれらの勧誘は気分の良いものではありません。

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