任意整理は裁判をしないで返済の負担を軽減する方法です。他の債務整理の方法に比べれば敷居は低そうですし、また、金利は負担軽減されますが、実際に借入れた元金は返済するわけですからデメリットもきっと少ないはず・・・。と、思われる方も多いかもしれません。ここではより任意整理の特徴を掴んでいただくためにメリットとデメリットをまとめてみました。

任意整理のメリット

返済の負担が減る

返済の軽減内容は①金利負担無しの元金の返済を行うことができる。②利息の引き直し計算をし、元金の返済に充てることができる。この2点になります。

特定のローンだけ選べる

例えば自己破産や個人再生などでは5ヶ所から借り入れが、あればそれら全てが債務整理の対象として処理されます(個人再生の場合は住宅ローンは対象外)。しかし、任意整理は自分の希望のローンだけを債務整理することができます。

例えば、自己破産や個人再生などでは共済組合などの職場に関連したところから借り入れている場合には、会社に債務整理していることがバレる可能性もあります。任意整理の場合は、そういったローンを除外すればいいだけの話です。債務整理で解雇になることはありませんが、居心地が悪くなり自分から辞めるという可能性はありえるので、そういったことを踏まえれば非常に価値があるかもしれません。

職業上の資格に影響しない

自己破産との比較になりますが、自己破産の場合、申し立てから免責までの数ヶ月間は、弁護士などの士業、質屋などの古物商、会社の役員などの仕事をすることができなくなりますが、任意整理においてはそういった影響はありません。職場にもバレないので仕事に影響がほとんど無いといえます。

家族に内緒で行える

裁判所を利用する債務整理の場合、裁判所からの郵便物などで家族にバレる可能性があります。さすがに裁判所からの手紙に「なんでもない」といって誤魔化すのはかなり厳しいものがあります。特に夫婦間の関係というものは経済的なことに影響を受けやすいものです。債務整理がバレて離婚というもの決して大げさな話ではないのです。

しかし、信用情報上で「ブラックリスト」になるので、新たなローンが利用できなくなります。そういった場合にバレてしまう可能性はあるので要注意です。

請求や催促を止めることができる

弁護士などと契約をすると、まず、弁護士は債権者に「受任通知」を送ります。債権者がそれを受けとれば、その時点から取り立て、請求行為ができなくなるというものです。債務者にとっては一息つける瞬間です。他の債務整理にも共通したメリットですが、催促が止まれば、じっくり今後のことを考えることができるようになります。

マイホームや車などの資産を失わずに済む

自己破産であれば、家屋など一つ20万円以上の価値のものは没収されてしまいますが、任意整理では特に保有している資産に影響はありません。

官報に掲載されない

これは、自己破産と個人再生との比較でのメリットですが、裁判所を利用しないので、国が発行する広報誌の「官報」に自分の情報が掲載されません。この官報はヤミ金の情報源としても利用されているものです。掲載されるだけでヤミ金から電話やダイレクトメールなどで勧誘が増えたりなど、場合によってはかなり迷惑を被る可能性があるので、掲載されないほうがいいのです。

比較的短い期間で手続きが終わる

裁判所が介入しない分だけ、手続き上の期間が短くて済む可能性が高いのです。自己破産などは半年くらいはかかりますが、任意整理は2~3ヶ月で終わることが多いのです。「問題を改善するためのプロセス」とはいえ、半年以上の期間、弁護士や裁判所などとやり取りをするのは精神的にもきついものがあります。そういった点でも任意整理は負担が軽いといえるかもしれません。

任意整理のデメリット

しばらくは借金やローンができなくなる

任意整理は返済する額が比較的多いので意外に感じるかもしれませんが、個人再生、自己破産と同様に任意整理でも「ブラック」になります。5年から10年は現金を借り入れることはもちろん、クレジットカードや新たな分割払いの利用もできなくなります。「もう借金はこりごりだから、ローンを利用できないのはむしろメリット」と考えることもできそうですが、いざという時に選択肢がないという状況は基本的にはデメリットではないでしょうか。

負担軽減が少ない可能性も

かなり根本的なデメリットがこの点になるかもしれません。2010年の貸金業法が施行されてからは基本的に貸金業者はグレーゾーン金利で融資をしていないので、この時期以降のローンの利用では過払い金もありません。

利息の引き直し計算で元金が減らない場合の任意整理は「今後の金利負担がなくなる」ということのみが任意整理をする目的になります。確かにそれは状況次第では、現実的に完済をするという意味で最善の方法になるかもしれませんが、同じく「ブラックリスト入り」になるデメリットを抱えている自己破産などに比べれば負担の軽減が少ないともいえます。もちろん弁護士に依頼をするのであれば弁護士費用も併せて計算する必要があります。

一見デメリットよりもメリットの方が多いような書き方にはなりましたが、上記の多くのメリットは他の債務整理の方法と比較をした結果でもあります。任意整理がご自身の問題の解決の最善の方法になるかどうかは信頼できる弁護士などとじっくり相談、検討をする必要があります。

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