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任意整理は債務整理のひとつの方法ですが、裁判所が介入しないというのが他の方法との大きな違いになります。ですので、裁判所までは利用したくないという人にとっては数少ない選択肢ということになりますが、状況によっては十分な負担軽減を見込めない場合もあるので、まずは、概要を理解していただければと思います。

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任意整理を選択すべき状況とは

任意整理は返済の負担を減らすというものですが、元金はそのままで、基本的に金利分だけの減額になります。また、同時に利息の引き直し計算をして、金利を払い過ぎていたという場合に効果が高いものになります。最大で5年(60回)を目安に元金を完済しなければならないので、債務額にもよりますが、ある程度の返済能力は求められます。

また、裁判所が介入せず、実際には弁護士などに任せっきりになるので、家族に内緒で債務整理できるということと、申し立てから手続きが終わるまでも比較的短期間で済ますことができるのも特徴といえます。

任意再生でどれくらい返済を減らすことが出来るのか

①金利分の負担がなくなる

例えば100万円の債務であれば通常金利と元金を合わせた金額を返済しますが、任意整理をすれば3年などの期間内に元金の100万円のみを返済すればいいということになり、将来の金利が発生しなくなります。実際、ほとんど金利分だけ返済しているような状況で、元金がなかなか減らなくて先が見えないという状況はあるので、そういった場合には有効な手段といえるかもしれません。

②利息の引き直し計算

2010年の改正貸し金業法施行以前からのローン利用であれば、グレーゾーン金利での返済をしていた可能性があります。金利が年率20%以上で返済をしていたということであれば、払い過ぎた金利分を元金の減額に充てることができるので、より返済の負担が軽くなるというものです。また利息の引き直し計算をして、過払い金があるようなら元金がゼロになり、債務がなくなる可能性もあります。

もちろん年率20%以下で利用していたということであれば、これにはあてはまりませんので、結果として①の将来的な金利の負担がなくなるということのみになります。

任意整理の流れ

任意整理も、弁護士などのプロに依頼しなければならないというきまりはありません。しかし、裁判所が介在せず、債権者との直接のやり取りになるので、いわば「プロ対アマ」の構図になります。自分で行えば相手にされないといったことも考えられるので、やはりプロに依頼するのが基本になります。

①まずは無料相談

法テラスや、その他弁護士事務所、司法書士事務所でまず、自分の状況と債務整理の手段として個人再生が適切かどうかなどの確認をします。

②弁護士などとの契約

必要になる費用なども確認した上で弁護士(または司法書士)と契約を交わします。

③催促のストップ

契約後に弁護士(または司法書士)がまず行うのは、債権者に受任通知を送ることです。これを債権者が受理すれば、これ以上利用者に対して催促をすることができません。債務者はプレッシャーから開放されるので、ひとまずは安心です。

④過去の取引履歴の確認

弁護士(または司法書士)より債権者側に過去の取り引き履歴の開示を求めます。ここで利息の引き直し計算などをします。

⑤和解案を提案

債権者側に分割での返済計画を提示し、分割での返済を提案します。合意が得られれば和解契約を取り交わします。債務者は原則3年(最大で5年)を目処に返済を開始します。

手続きの開始から和解まではおおよそ2~3ヶ月が必要です。また、万が一裁判などの流れに発展すれば6ヶ月もしくはそれ以上になる可能性もあります。

任意整理するための費用

自己破産や、個人再生のように大幅な減額が見込めない場合もある任意整理です。弁護士費用などが高額になるのであれば行う意味があまりありません。あらかじめ負担が減る金利のおおよその目安をつけてから依頼するということが重要です。

任意整理における一般の弁護士、司法書士費用

任意整理の場合、複数あるうちの特定のローンのみを整理することができるので、一般的な任意整理の弁護士費用は着手金として1社につき2万~4万円といった費用が発生します。また、過払い金が返還されれば、その額の10%~15%前後が成功報酬として請求されます。

例えば、3社に対して任意整理をするとなった場合に、1社あたり3万円、返還金の10%が成功報酬で対応してくれる弁護士に依頼したとします。

3社x3万円=9万円が着手金、過払い金が50万円x10%=5万円が成功報酬。合計が14万円が弁護士費用ということになります。

司法書士は弁護士より1~2割り安いと考えていいでしょう。法テラスの弁護士などを利用すればさらに安価になる可能性もあります。

つまり、借り入れ先の件数が多ければそれだけ弁護士費用が増えますし、過払い金が多ければ想定外の費用が発生する可能性もあるのです。また、借り入れ先がヤミ金だった場合など、割り増しになるという場合もあります。

和解に応じてくれなかったらすれば?

任意再生は裁判所が介在しないので、法的に粛々と処理を進めるというよりも、担当弁護士や債権者次第という側面もあります。現実的に債権者が任意再生の提案を全く聞かないということはあまりありませんが、最初に頭金のようなかたちでまとまった額の返済を要求したりなど、一定の条件を提示される場合もあります。また、一括での返済しか受け入れないという債権者も少数ですが存在します。そういった条件などで折り合いがつかなければ他の方法を考える必要があります。

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