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グレーゾーン金利で融資をしていた業者は何も消費者金融だけではありません。クレジットカードのキャッシング枠も該当するので、過払い金の返還請求をできるのにしていない人というのは意外と多いはずです。

過払い金の返還請求はその金額や会社などによって、すんなり満額返還される場合もありますし、減額されたり、きちんと対応してもらえないなど対応に差がでる可能性もあります。比較的大きな金融会社であれば特に交渉もせずに希望通りの対応をしてくれる場合もあるので、そういった場合はわざわざ弁護士や司法書士を利用せずとも済んでしまうのです。

もちろん、裁判などに発展すれば時間や労力も必要になってきますが、そこまで発展せずに済む場合も多いですし、弁護士の費用などを踏まえれば、まずは自分でトライしてみる価値はあるといえるでしょう。

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自分で行う過払い金返還請求の流れ

①取引履歴を送ってもらう
②利息の引き直し計算
③金融会社に過払い金返還請求

①取引履歴を送ってもらう

まず、この「取引履歴」を金融会社に頼んで送ってもらうというところからスタートします。基本的には「電話」をして送ってもらうという方法になります。「取引履歴を送ってください」と言えば、担当者がマニュアルに沿ったかたちで対応してくれます。こちらは初めてでも向こうは毎日同じような電話の対応をしているのです。各金融会社で本人確認の方法や、送付にかかる日数などに違いはありますが、思ったよりもすんなりと送ってくれるでしょう。

また、この取引履歴を利用者に開示するということは金融機関にとって法的な義務であるので、拒否されることもありませんので心配は要りません。「これから過払い金を請求しようかと思いまして・・・」ということも言う必要はありませんが、もし理由を聞かれたら「確認がしたいので」くらいで十分でしょう。

できるだけ話をしたくないということなら、本人確認書のコピーなどを添えて手紙で問い合わせるという方法もありますが、会社によっては電話のみの受付としている場合もあります。メールなどで問い合わせて対応してくれれば便利ですが、概ねお客様相談窓口に電話をしてくださいという返信メールが送られてくる可能性が高いです。

ちなみに、この取引履歴ですが、返済期間中に弁護士や司法書士が行うと債務整理とみなされ、信用情報にブラックの記載がされる可能性もあるので、そういった場合も自分で行ったほうがよいのです。

②利息の引き直し計算

利用した全ての期間の取引履歴を入手できれば、次は「過払い金はいくらなのか」というステップになります。債務を利息制限法の金利(10万円未満の利用で年率20%、10万円~100万円未満:年率18%、100万円以上:年率15%)に引き直して計算するのですが、自分で計算するよりもパソコンのソフトを利用するほうが効率的でしょう。インターネット上には有料・無料の過払い金の計算ソフトがあるので、それを利用し入手した取引履歴の数字を打ち込んでいけば、過払いがいくらなのかを知ることができます。

おすすめの利息の引き直し(過払い金計算)ソフト

インターネット上には利息の引き直しを目的としたソフトが存在します。下記にいくつかご紹介をしますが、これら以外にもいろいろあるので、使いやすいソフトを選んで試してみてはいかがでしょうか。無料のものも多いので、確認のために複数のソフトを利用してみるという手もあります。

・TDON「引き直し計算ソフト」http://www.tdon.jp/download/main.htm
このソフトは有料のソフトになりますが、最初の7日間は試用期間として無料で利用できます。期間としては十分ではないでしょうか。有料ならではの使い勝手のよさと、部分的に利用履歴が入手できなかった場合など推定計算もできるといった特徴があります。

・アドリテム司法書士法人「利息計算ソフト」http://www.adlitem.or.jp/software/
司法書士のホームページで公開している無料のエクセルベースの利息の引き直しソフトになりますが、この分野ではメジャーで無料でも十分な機能と分かりやすい説明があるのもうれしいです。

・名古屋消費者信用問題研究会「利息計算ソフト」http://www.kabarai.net/index.html
金融に関する問題を専門とした弁護士団体のホームページ上でダウンロードできる無料のソフトです。説明が細かく分かりやすいのでパソコンがあまり得意でない人でも利用しやすいでしょう。

③金融会社に過払い金返還請求

実際にソフトなどを使用して過払い金の数字を出すことが出来れば、いよいよ返還請求ということになります。手紙で請求するというかたちになりますが、内容証明郵便が料金や手間がかかりますが、相手が受領したということを証明できるのでベターといえるでしょう。手紙の内容としては非常に形式的なものになります。ネット上の過払い金返還請求用のテンプレートなどに必要な箇所を入れ替えるだけでも十分ですし、参考例もネット上には無数に存在します。

主な過払い金返還請求書の内容

①日付
②請求する金融会社の名前、所在地
③自分の名前、住所、
④返還される際に入金される銀行口座情報
⑤過払いがある旨とその金額
⑥14日以内に振り込まない場合は法的な措置をとるという旨

過払い金の返還

過払い金返還の請求書を郵送し、相手が合意すれば電話や手紙での連絡がきます。また「和解合意書」などの郵送物が送られて来る場合もあります。その場合、金額など間違いないかを確認し、署名捺印を1部を送り返せば相手は振込みで過払い金の返還を行います。きちんと請求通りの金額が振り込まれていればこれで終了です。

請求通りの結果にならない場合

裁判に持ち込むケース

請求したのに全く返済されない、または満額ではなく減額を提案してきて、こちらが納得できないということになれば裁判所で訴訟という流れになります。過払い金が140万円以下の場合は簡易裁判所、140万円以上なら地方裁判所に訴訟をします。裁判のためにまた書類を準備する必要があります。必要な書類としては「訴状」、「利息引き直し計算書(利息計算ソフトなどからプリントしたものでOK)」、金融会社から取り寄せた「取引履歴」、法務局でもらうことができる金融会社の「登記簿謄本」などになります。

過払い金返還請求の裁判はテレビドラマで観る裁判のように、弁護士が熱弁を振るって争うようなものではないので、実際に素人でも行うことは可能です。また、争う内容としても、過払い金はこちらには全く非が無いものなので、結果的に裁判で自分が敗訴になるという可能性はほぼ無く、和解で決着することがほとんどのようです。しかし、実際の裁判は平日の昼間に行われるので、時間に余裕が無いと対応が厳しいかもしません。

過払い金返還請求を自分で行うことのメリット

過払い金請求を自分で行うということの最大のメリットは弁護士などの費用を抑えて、できるだけ多くのお金を手に入れる(戻す)ということです。しかし、それぞれの金融会社の対応次第でケースバイケースなので思ったよりも難しいという状況になるかもしれません。しかし、いざとなれば弁護士や司法書士の利用に切り替えることも可能ですし、選択肢は豊富なのです。

また、「過払い金返還請求」というものが始まってから、すでに数年経っています。インターネットを見れば経験者のさまざまな体験談なども豊富にありますし、無料で情報を集めることやソフトを利用するといったことが容易です。そういった意味でも自分で行うのには今が良いタイミングかもしれません。過払い金返還請求の時効は最後の返済から10年なので、取り掛かるのであれば早めのほうがいいでしょう。

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